・「教育費無償」は幻想? “高卒”でもこれだけかかる学習費用の実態
2016年5月12日、三菱自動車と日産自動車は資本業務提携を発表します。日産はルノーの傘下にあったことから、これによって「ルノー・日産・三菱自」の巨大な自動車連合が誕生しました。同連合の自動車販売台数は世界4位の規模を誇ります。
【世界自動車販売台数(2022年)】
・トヨタ:1048万3024台
・フォルクスワーゲン:826万2800台
・現代自動車:684万8198台
・ルノー・日産・三菱自:615万6777台
出所:日刊自動車新聞
三菱自動車と日産の資本提携は、日産が出資する形で実現しました。当時の三菱自動車は燃費データを不正に改ざんした事実が判明し、経営危機に陥っていたのです。
燃費不正で揺れる三菱自を日産が支援
三菱自動車の燃費不正問題が発覚したのは2016年4月のことです。燃費データの改ざんが行われたのは、三菱自動車の「ekワゴン」と「ekスペース」、また三菱自動車が日産に供給していた「デイズ」と「デイズルークス」です。
発覚したきっかけは、軽自動車で提携していた日産による指摘でした。日産が燃費を計測したところ、国土交通省に提出していた数値と大きく異なるデータとなったことから事件が明らかになっていきます。
また、のちに三菱自動車が設置した特別調査委員会が調査したところ、同社は遅くとも1991年から定められた方法とは異なる手法で試験を行い、恣意的な改ざんは遅くとも2005年から行っていたことも判明しています。
今回明らかになった燃費データの不正は、2013年6月以降に発売された車両で行われました。不正が行われた車両はいずれも人気車種で、業績への大きなダメージは必至の状況でした。これが嫌気され、三菱自動車株式は急落します。なお、三菱自動車は消費者への約650億円の補償を発表しています。
存続が危ぶまれた三菱自動車でしたが、日産から約2370億円の出資の受け入れを発表し、難を逃れました。それまでは三菱グループが三菱自動車の大株主でしたが、以降は日産が34%の株式を握る筆頭株主となります。
【三菱自動車の株価(2016年)】