ガソリン車はいつ販売禁止になる?

ルノーが日産への出資比率を低下させた理由の1つに、EV(電気自動車)へのシフトがあるとみられています。ルノーはEV車を事業の中核に位置付け、体制の変革期にありました。その過程で日産との資本関係の見直しにも着手したと考えられます。なお、対等な資本関係へ見直しを進める対価として、ルノーが設立するEV新会社へ日産が最大15%出資することも盛り込まれています。

ルノーがEVへかじを切った理由は、ガソリン車からEVへの流れが世界的に起こっているからだと考えられます。EUは2035年にガソリン車の新車販売を禁じる方針を表明し、中国も同じく2035年までに全ての新車を環境対応車へ切り替える方針です。またアメリカでも、ニューヨーク州やカリフォルニア州などで、2035年までにガソリン車の新車販売を禁止にすることが決まっています。

このようにガソリン車から環境に配慮した車へ移行する流れは強く、自動車メーカーもその対応に追われています。世界の自動車販売で上位に入る日本の自動車メーカーも、EVでは出遅れが目立っており、経営戦略の見直しは避けられない状況です。

【世界EV販売台数(2022年)】

 

出所:時事通信

トヨタは戦略の見直しを発表し、2026年までにEVを150万台販売する目標を発表しました。また、ホンダも2030年までにEVを年間200万台超生産する方針を打ち出しています。日本においても、EVシフトの波はしばらく続きそうです。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。