・大手銀行倒産の衝撃…つぶした“張本人”も巨額負債抱え最悪の破綻
1997年5月1日、楽天グループの中核事業「楽天市場」のサービスがスタートしました。今でこそ約5万7000店舗(2022年末時点)もの出店数を誇る巨大ECモールですが、1997年のスタート当初はわずか13店舗でした。
楽天市場は、なぜこれほど成長することができたのでしょうか。
楽天市場はなぜ成功したのか
楽天市場は、複数のテナントが出店するモール型のECサービスです。1つのお店が商品をインターネット上で販売するのではなく、ショッピングモールのように複数のテナントが同じ場所でそれぞれ独自の商品を販売しているイメージが近いでしょうか。
楽天市場のサービスが開始された当時は、インターネット黎明期で通信速度がとても遅く、また先行するECモールもうまく集客できていなかったことから、「インターネットではモノが売れない」とまでいわれていました。
しかし楽天市場には早くからテナントが集まり、2000年末には店舗数が4800を超えています。楽天市場は、導入するシステムに市販のパッケージ化されたものを用いず自社で開発し、インターネットに詳しくない人でもブラウザから簡単にページを更新できる仕様としました。これが奏功し、楽天市場はたくさんのお店が出店するにぎやかなECモールへと成長したと考えられます。
テナントの増加に伴って、楽天市場には多くの魅力的な商品が登録されるようになり、それを目当てにたくさんの利用者が訪れるようになりました。国内の楽天会員の数は1億を突破しており、楽天市場単体の年間流通総額は2020年に3兆円を超えています。
経済産業省の「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によれば、同じ年の物販系分野のEC(B to C)市場規模は12兆2333億円ですから、単純に考えれば楽天市場が全体の約4分の1を占めていることになります。好調な楽天市場は楽天グループの屋台骨となり、同社の着実な成長を支えることとなりました。
【楽天グループの売上高】