減収減益とは?

売上が減ると、通常は利益も減ってしまいます。「減収減益」です。売上が減っているということは、お客さんからの支持が減っているということであり、利益が減っているということは、株主としてもよいことではありません。

成長市場で増収を続けていた会社も、市場が成熟すると減収になってしまうことがあります。また、競合にお客さんが流れてしまったり、製造や販売などの力が落ちたりして減収になることもあります。

会社としてはよくない状態ですので、売上や利益を増やすことを考える必要がある状態です。

減収増益とは?

売上が減ると、通常は利益も減りますが、売上が減った以上に費用を減らせば、利益は増えます。これは「減収増益」です。

たとえば、いくつかの事業や店舗をもっている会社が、そのなかで、赤字の事業や店舗をやめると、減収増益になります。

売上は、利益をあげるための手段ですから、減っても構わないわけではありません。残った事業や、新たにはじめる事業で、売上を増やせるかどうかが重要です。

また、必要な費用を削って減収増益になる場合もあります。費用のなかには、研究開発費など、必ずしもすぐに利益に結び付かなくても、将来の利益につながるものもあります。

こういった費用を削って増益になることもありますが、将来の利益を犠牲にした増益は、望ましいとはいえません。

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