「老後の備えは自分で作らなくてはいけない」そんな危機感がコロナ禍でさらに膨らみ、投資を始める人が増えている。しかし、そうはいっても奥深いのが投資の世界。慣れれば慣れるほど疑問に直面したり、ワンランク上の投資手法に興味を抱くことも増えてくる。

そこで、この連載では「資産形成3年目だからこそ知りたい」用語や投資情報を解説する。第7回は「決算書」について。決算書には企業の業績や財務状況を把握し、今後の成長性や安定性を吟味するために必要なデータが詰まっており、投資のみならず、ビジネスパーソンとしても読めることは必須といえる。今回は決算書の中でもとりわけ重要な財務三表について、基本やチェックポイントを解説する。

決算書は企業をより深く理解するためのカギ

決算書は財務諸表とも呼ばれ、企業や団体の1年間の経営成績や財務状態などを取引先や株主、税務署へ報告する目的で作成される。

決算書にはいくつかの種類があるが、そのなかでも

・貸借対照表
・損益計算書
・キャッシュ・フロー計算書

の3つは「財務三表」と呼ばれている。多くの場合、企業のウェブサイト上で公開されている「決算短信」などから閲覧できる。

これらの決算書からは足元の経営状態だけでなく、将来に向けてどれくらい投資をしているか数字で確認できる。つまり決算書は、その企業の成長性や展望をより深く理解し、判断するための貴重なツールであるともいえる。

では、具体的にどのように読み解いていけば良いのか。ここからは各決算書のチェックポイントについて紹介する。