損益計算書は「企業の成績表」

損益計算書は1年間の企業活動における収益や費用、利益を表したものだ。企業が利益を上げられているか、その利益が何に起因するものかが分かる。

損益計算書には、1年間の企業活動で得た収益や発生した費用が記される。記載内容は収益を得た方法や費用の使い道に応じていくつかの項目に分かれるが、特に注目したいのが以下の3つだ。

1. 売上高
2. 営業利益
3. 当期純利益

1つ目の売上高は、企業が1年間に立てた売上の総額である。企業の事業規模の把握に欠かせない数字といえるだろう。

次に確認したいのが営業利益。売上高から商品の仕入れ額や人件費、広告宣伝費などを差し引いた金額で、大まかに「稼いだ利益」を指す。高い営業利益は、販路開拓やコスト削減などの経営戦略が上手くいっているとも考えられる。戦略の方向性が合っているならば、今後も業績維持を期待できるだろう。

最後の純利益は、企業活動を通じて得たすべての費用から、かかった総費用を差し引いた金額である。この金額が最終的に企業の元に残る利益であり、株主への配当金の原資となる。株式を所有している企業であれば必ず純利益を見て、配当金支払いの余力があるかどうかをしっかり確認したい。

なお、損益計算表では特別利益の扱いにも注意しておこう。特別利益は事業や固定資産の売却などによる儲けが計上されるが、それらは臨時の利益のため、業績の安定性を判断する際は切り離して考えた方が無難といえる。