マネックスグループ創業者が運用に参加
マネックス・アクティビスト・ファンドの投資対象は、企業価値に対して株価が著しく安く放置された日本の上場企業です。財務状況やESGといった非財務面、また事業モデルなど総合的な観点で企業を徹底的に分析し、ボトム・アップ・アプローチ(※)でポートフォリオを構築します。
※ボトム・アップ・アプローチ:投資する個別銘柄を積み上げた結果としてポートフォリオが決まる手法。対して「トップ・ダウン・アプローチ」は、まず業種などで資産配分を固定し、その範囲内で個別銘柄を選定してポートフォリオを構築する手法。
【組入上位5銘柄(2022年9月末時点)】
銘柄 | 比率 |
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東宝 | 9.64% |
住友電設 | 4.72% |
セプテーニHLDGS | 4.47% |
不二製油グループ | 4.33% |
第一生命HLDGS | 4.21% |
リサーチを通じて投資対象を絞り込むところまでは、その他のアクティブ運用と大きくは異なりません。マネックス・アクティビスト・ファンドが特異なのは、投資対象企業と対話(エンゲージメント)を通じ、株価が本来の企業価値まで上昇するよう働きかける点です。対話が奏功すれば、市場がその企業の潜在的な価値に気付き、大きなリターンを得られる可能性があります。
ただし、アクティビストはその企業の経営に深く踏み込むことになるため、投資する側にも相応の知識が求められるほか、経営陣と敵対的な関係になることも少なくありません。そこで、マネックス・アクティビスト・ファンドは「カタリスト投資顧問」が運用に参加します。
カタリスト投資顧問の取締役会長はマネックスグループ創業者の松本大(まつもと・おおき)氏が務めており、マネックス・アクティビスト・ファンドの運用においては同氏の経営者としての経験や人脈の活用が大いに期待されます。投資先企業との対話が重要なアクティビストにおいて、氏ほど心強い存在はいないでしょう。日本株の運用でより大きなリターンを追求したい人は、マネックス・アクティビスト・ファンドも候補に入れてみてください。
ただしマネックス・アクティビスト・ファンドは、1銘柄あたりの投資比率が大きくなりやすい点に注意が必要です。アクティビストはその性質から、議決権を多く集めなければ発言力を維持できません。そのため、運用資産に占める1銘柄あたりの割合が上昇しやすく、その企業個別の要因によって大きな値動きが発生する可能性があります。
またマネックス・アクティビスト・ファンドには成功報酬が設定されている点にも留意しましょう。原則として、基準価額が過去最高(ハイ・ウォーター・マーク)を更新したとき、その更新額に対して22%の成功報酬が支払われます。
【マネックス・アクティビスト・ファンドの概要】
銘柄 | マネックス・アクティビスト・ファンド (愛称:日本の未来) |
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運用会社 | マネックス・アセットマネジメント |
ファンドのタイプ | 国内株式型 |
設定日 | 2020年6月25日 |
信託期間 | 無期限 |
決算日 | 3月10日 |
受渡期間 | 5営業日 |
販売手数料(最大、税込み) | 3.3% |
信託報酬(全体、税込み) | 基本報酬:2.2% 成功報酬:22%(ハイ・ウォーター・マーク方式) |
信託報酬(販売会社、税込み) | 基本報酬:1.067% |
信託財産留保額 | 0.3% |
主な販売会社 | SMBC日興証券 SBI新生銀行 あかつき証券 |
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。