NTT株を急落させた「ブラックマンデー」とは
上場直後は快調だったNTT株式も、その後は低迷します。そのきっかけの1つが「ブラックマンデー」でした。NTTが上場した1987年の10月19日に起きた、ニューヨーク株式市場の歴史的な暴落のことです。代表的な株価指数「NYダウ(ダウ工業株30種平均)」は、1日で22.6%もの下落を記録しました。
原因として、当時アメリカでインフレ懸念が台頭したこと、新しく導入されたプログラム売買が下落を増幅させたことなどが指摘されています。ブラックマンデーは海外にも波及し、世界的に株価の急落を引き起こしました。日本の株式市場も株価の下落は避けられず、多くの投資家が損失を被ります。
【NYダウと日経平均株価(1987年1月5日=100)】
その後はバブルの崩壊もあり、NTT株式は売り出し価格を割り込みます。ITバブルでいったんは回復したものの、それもはじけると再び売り出し価格を下回り、長く安値圏に沈みました。
ただし、配当込み株価では2017年に売り出し価格を上回りました。その後も現在までおおむね右肩上がりに上昇しています。また近年は業績もよく、2022年3月期まで3期連続で最高益を稼ぎ出しました。
【NTT(日本電信電話)の株価】
【NTT(日本電信電話)の業績】
出所:日本電信電話 決算短信