「新NISA」の開始を見据え2023年中に準備できること

これまで見てきた通り、新NISAには「使いながら増やす」という選択肢が加わる。

いつか来る老後のために早い時期からコツコツと資産形成を始めることはもちろん重要なのだが、現実問題として、出費を伴うライフイベントというのはいくどとなく訪れる。そこでまずは、2023年中に「ほったらかし投資」から一歩踏み出すための準備運動をしておくことをおすすめしたい。10年以内に訪れる可能性があるライフイベントと、それに伴う出費の棚卸しから始め、投資可能商品の引き出しを増やしておくのもよいだろう。

そしてもう1つ、まだ現行のNISA口座を開設していないという人は、今年中にNISA口座を開設し、資産運用の準備運動をしておくことをおすすめしたい。新NISAは、現行制度の改良版ではあるものの、別制度としてスタートするため、すでに現行のNISA口座で非課税の恩恵を受けたという場合でも、2024年から新たに総額1800万円の投資枠が使える。現行制度と併せれば、単純により多くの非課税枠を利用できることになる。ただし、あくまでも別制度のため、現在NISA口座で保有する商品を新制度に移管することはできないと思っておいたほうがよい。

本連載では今年も、投資信託を中心に、新NISAの開始を見据えた幅広い情報をお届けする。