2024年から一般NISAとつみたてNISAの併用が可能、投資枠も1800万円に拡充
2024年からスタートする新NISA制度の大枠が固まったようです。
目玉は2つ。ひとつは制度が使える期間について、これまで一般NISAは2023年まで、つみたてNISAは2042年までとされていましたが、これを恒久化するのと同時に、非課税期間については一般NISAが5年、つみたてNISAが20年だったのを、無期限化する方針が打ち出されました。
もうひとつの目玉は最大投資枠です。これまでは一般NISAが600万円、つみたてNISAが800万円で、両方の併用はできませんでしたが、2024年からスタートする新NISA制度では、一般NISAが「成長投資枠」という名称に変わるのと同時に、つみたてNISAと成長投資枠の併用が可能になり、かつ最大投資枠が買付残高ベースで1800万円まで大幅拡充されました。
つみたてNISAの毎月の平均積立額は、楽天証券によると2万5408円です。端数を切り捨てて考えて2万5000円を毎月積み立てた場合、1800万円の枠を全部使い切るためには720カ月、つまり60年の期間を必要とします。将来的に新NISAが、より一層普及すれば、1800万円の生涯投資枠がさらに拡充される可能性も高まっていくでしょう。その第一歩として、投資枠の総額を1800万円まで拡充できた点は、十分、評価に値すると思います。
これで制度の大枠は固まったので、次は投資対象となる商品をどのように絞り込んでいくか、という点が焦点になっていくでしょう。ちなみに、従来の一般NISAに該当する成長投資枠で買い付けることの出来る対象には、株式や投資信託、REIT、ETFなどが含まれますが、投資信託のなかでも、「毎月分配型」と「レバレッジ型」、そして信託期間が20年を切っている投資信託は対象外になります。
個人の長期的な資産形成という観点からは、やはりつみたてNISAが主役になると言いたいところですが、業界事情を考慮すると、案外、より普及するのは成長投資枠ではないか、と考えています。