また、当初はソーダ、グレープフルーツ、コーラの3種類でしたが、期間限定のさまざまなフレーバーを展開。マンゴー味や梨味が人気を博しました。今でも常に新しいフレーバーで注目を集めています。

アイスの宿命ともいえるのが、冬になると販売が減少する点です。冬期の販売強化策として「ガリ子ちゃん」や「ガリガリ君リッチ」シリーズが投入されています。特にリッチシリーズでは、赤城乳業らしい遊び心にあふれた野心作が次々に生まれています。アイスとしては異色の「コーンポタージュ味」は、話題性から予想外に販売が伸びて生産が追いつかないほどでした。インターネット上でも「コーンポタージュ味を温めたらスープとして飲めた」などの声や、賛否両論の意見が交わされました。リッチシリーズは不評に終わる商品もありますが、新作を楽しみにするファンも多い人気のラインアップです。

こうした商品企画はさまざまな反響を呼び、現在では「ガリガリ君」の人気にあやかった、多様なコラボレーションも展開されるようになりました。

「ガリガリ君」発売後も遊び心のあるアイスで話題に

赤城乳業は「ガリガリ君」発売後にも、テレビCMで評判になった「カレーアイス」や「ラーメンアイス」などユニークな商品を送り出しています。同じようなかき氷アイスやバニラアイスでは大手に太刀打ちできないことや、中小企業ならではの身軽さがこのような戦略を生んだといえます。「面白いアイスの会社」という、ブランディングの成功例でもあるでしょう。

当たりくじ付きアイスはいつから?

「ガリガリ君」は、「当たりくじ付き」のアイスです。食べ終わったアイスのスティックに「当たり」の焼き印があって、うれしかった記憶のある人も多いでしょう。「当たりくじ付き」は安価なアイスのささやかな楽しみの1つで、1960年の協同乳業の「ホームランバー」が始まりです。以後、さまざまなメーカーのアイスで工夫を凝らした当たりくじが展開されました。ちなみに「ガリガリ君」は32本に1本の割合で当たりが入っているといわれているようです。