10月のダウ平均株価

ダウは米国主要業種を代表する30銘柄で構成された指数です。

組み入れ銘柄の中ではエクソン・モービルが新高値を更新しました。また同じエネルギー銘柄のシェブロンも上昇しています。それから直近の四半期決算でコカ・コーラが好決算を発表した後に株価が上昇しています。特にコカ・コーラは価格決定力を持つ会社でありインフレ局面でも強いことを印象付けました。

・ダウ平均株価  32732.95ドル(10月31日時点)

10月のS&P500

S&P500は上場する企業の中で代表的な500社を組み入れて構成された株価指数です。米国経済の現在地を最も正確に表した数字といえるでしょう。

組み入れ銘柄の中ではヘルスケア銘柄のジョンソン・エンド・ジョンソン、クレジット大手のビザとマスターカードの株価が安定して推移しています。

現在のようなドル高局面において、連続増配銘柄や決済サービス関連銘柄の株価の力強さが目立つ展開となりました。

・S&P500 3871.98ポイント(10月31日時点)

10月のナスダック

ナスダックは主にハイテクセクターやネット企業の動向を知る重要な指標です。GAFAMを中心に米国経済を牽引するテクノロジー企業が組み入れられています。

米国企業は現在四半期決算の真っ只中ですが、組み入れ銘柄のなかでも特に海外売上比率の高いGAFAMがドル高で苦戦しており、特にグーグルとアマゾンの株価が急落しています。

グーグルの親会社アルファベットはYouTube広告収入が鈍化したことでアナリスト予想を下回り、四半期決算の発表後の時間外取引で一時的に約6%も下落しました。

アマゾンもドル高の影響により売上高が減少し、次の10-12月のガイダンスもアナリスト予想を下回ったことで時間外取引で一時的に約20%下落しました。

このようにハイテク産業の中でもグローバル企業が為替の影響に苦しんでいる現状が明らかとなりました。

・ナスダック 10988.15ポイント(10月31日時点)

GAFAMの今後は金利にかかっている!?

今後、GAFAMに追い風が吹くとしたら、それはドル安になることです。日本でも円安ドル高によってアップル製品の価格が上昇するなど、その影響を日常生活でも感じることが多いのではないでしょうか。そのなかで注目したいのがFRBの利上げ政策の行方です。

冒頭で述べたように米国経済を悩ませる歴史的な高インフレも徐々にブレーキがかかっています。そのため早ければ12月、遅くとも来年2月ごろから利下げする可能性に言及する記事が多く見られ始めています。

実際、米国が利上げから利下げに転じると金融緩和策を実施することになるので、ドル安になるはずです。その恩恵を最も受けるのがGAFAMなどのハイテク産業であると考えられます。

つまりFRBの利上げ政策による苦しい時期もあと少しであり、ようやく明るい兆しが見えてきたといえるのではないでしょうか。