トレンド2:Disney+とHuluなどサービス統合の流れ

動画配信サービスをめぐる新たな動きは他にも見られる。2022年9月、Disneyは同社傘下のDisney+とHuluのサービス統合を検討していると明らかにした。

米国において2つのサービスは、すでにDisneyのスポーツ動画配信サービス「ESPN+」とともにバンドル(セット販売)され、個別に契約するより低価格で利用できる仕組みとなっている。しかし視聴アプリは異なるため、今後サービスが一本化されればユーザーの利便性向上が期待できる。

また、近年数多くの動画配信サービスが乱立してユーザーの選択肢が増えているなか、グループ内で視聴者を奪い合わなくてすむ仕組みをつくる狙いもあるだろう。

一方で、異業種と提携して成長を目指す動画配信サービスもある。Paramount+を手掛ける映画配給Paramountは、米小売大手Walmartと協業。WalMartの有料会員サービス「Walmart+」の特典としてParamount+が無料視聴できる契約を結んだ。Walmart+はオンラインショッピングの配送料が無料になるなど、Walmart系列の店舗をよく使う消費者のためのサブスクリプションサービスだ。

この契約はWalMartによる、ネット小売大手のAmazonに対抗する戦略と考えられている。Amazonが提供する会員制サービスAmazon Primeには、ネット通販の送料やポイントプログラムの優遇措置のほか、Prime Videoの特典もあるからだ。一方でParamountも、全米で1000万人以上の会員数を誇るWalmart+のユーザーを取り込み、競争激しい動画配信業界において優位に立ちたい狙いがあると思われる。