トレンド1:Netflixも大転換、低価格広告モデルへの動き
Netflixは2022年11月から、動画コンテンツに広告を挿入することで月額料金を抑えた新プランを開始する。過去の株主総会では広告モデルを導入しないと表明していた同社だが、ここにきてビジネスモデルの大きな転換を図った。
Disneyも同様の戦略に打って出た。Disney+でも、2022年末から広告付きの低価格プランを導入する予定だ。最大手2社が相次いで広告モデルの導入に踏み切った背景には、インフレや競合の増加といった事業環境の悪化を受け、これまでの加入者数を維持していく重要性が高まったことが考えられる。見方を変えれば際限なく成長を目指す段階から、成長率の維持を意識していく段階に入ったともいえるだろう。
米調査企業Antennaは、NetflixとDisney+が広告付き低価格プランを始めることで、次のような可能性があると指摘する。
・「低価格なら広告付きでも構わない」思考をもつ新規ユーザーを獲得できる
・様々な動画配信サービスを転々とするユーザーが、継続的なユーザーとなる
・ 広告なしプランの加入者が、広告ありのプランへとダウングレードする
HBO MaxやParamount+などは、すでに同様の広告モデルを導入している。加えて、米国では広告モデルを主軸とする動画共有サービス「YouTube」において、既存の人気テレビ番組の無料配信がスタート。広告付きで低価格の動画配信がより身近なサービスとなってきている。NetflixやDisney+の大手2社も、こうした流れに逆らえなくなったのだと思われる。