腰を据えて「資産形成」を考える、投資本のロングセラー
最後のテーマは「資産形成商品」、つまり、投資の話です。繰り返しになりますが、今や本屋でもネットでも投資にまつわる本や情報があふれ、何を読むのか、その選択能力が問われる時代です。でも逆に多すぎて選べない、そんな人は投資本のロングセラーや名著に目を通してみるのもお薦めです。先日、日経新聞の記事でリストアップされていた本を紹介しましょう。
投資本のロングセラー ※4 (注)代表的なものの一部
●インデックス投資
「ウォール街のランダム・ウォーカー」
バートン・マルキール 著 、井手正介 訳・日本経済新聞出版
「敗者のゲーム」
チャールズ・エリス 著、鹿毛雄二、鹿毛 房子 訳・日本経済新聞出版
●個別株投資
「ピーター・リンチの株で勝つ」
ピーター・リンチ、J・ロスチャイルド 著、三原 淳雄、土屋 安衛 訳・ダイヤモンド社
「株式投資の未来」
ジェレミー・シーゲル 著、瑞穂のりこ 訳・ 日経BP
「賢明なる投資家」
ベンジャミン・グレアム 著、増沢和美、新美美葉 訳・パンローリング
●投資哲学
「投資で一番大切な20の教え」
ハワード・マークス 著、貫井 佳子 訳・日本経済新聞出版
※4 出所:日本経済新聞、2022年9月12日夕刊、「ニッキィの大疑問」
「どの本から読めばいいですか?」と聞かれたら、私ならそうですね~インデックス投資 →個別株投資 →投資哲学の順番で読むことをお薦めします。2冊、3冊あるのは、ぱらぱらと読んでみて、自分にとって読みやすそうと感じる本を選べばよいでしょう。
ちなみに、インデックス投資に関する2冊はそれぞれ良書ですが、実はそれら2冊の良いとこ取りといいますか、2人の著者が共著している『投資の大原則』という本もあります。投資の世界を代表する偉大な思想家である2人の知恵を、コスパ(最近は“タイパ”とも言われるみたいですね……)よく学びたい人は、あわせて確認してみてください。
また、投資哲学の本としては、ハワード・マークス氏の本が一択になるわけですが、これは一択になる理由がこの本にはあるからです。投資について本質的なことを色々と考えさせてくれる名著ですね。
この本の中で、私の一番のお気に入りは「投資家はボラティリティよりも、資金を失ったり、リターンが許容できないほど低くなったりすることを懸念して、投資を差し控えるのだと思う。(中略)いや、ここで断言しよう。『リスク』とは何よりもまず、資金を失う可能性である」とのコメント。投資初心者の皆さまも共感できるかもしれませんね。
でも、初心者がいきなり読み通すには少しハードルが高い本かもしれません。ですから、先ほど申し上げた順番で読み進め、最後にじっくりと味わっていただきたい、そんな本になります。
以上、金融リテラシーの3つの柱、「家計管理」、「生活設計」、そして「資産形成」について、それぞれのテーマごとにお薦めのマネー本を紹介しました。なお、金融庁が「最低限身に付けるべき金融リテラシー」としている、もう1つの柱は「外部知見の活用」です。今回のお薦め記事自体が、皆さんにとっての“外部知見”になれば嬉しいですね。ご参考まで。