20代の娘に読ませたい「家計管理」の本
「ライフプランニングに限らず、何事であっても、まずは自分事(じぶんごと)として考えることが大切です」
私がセミナー講師を務めるときは、こんなことをよく話しています。でも、それって実は、講師の私自身にも言えること。というのも、私も皆さんと同じ、現役世代ですからね(笑)。そして、私自身が自分事として考えたことや経験したことを、皆さんと同じ目線で伝えていきたい、そんなふうにも思っています。
でも私自身は50代、「家計管理」を身に付けるべき20代の皆さまとは親と子ほどの年齢差があります。同じ年代にはなりえない、ならば逆に自分の娘のことを頭に思い浮かべてみました。言わば、“親目線”ということですが、親バカ承知で、20代の娘に読ませたい、そんな「家計管理」の本を選んでみました。
「20代からはじめる お金が貯まる暮らしかた」
mii 著・KADOKAWA
なぜ、この本を選んだのか? まずは筆者のmiiさんと娘の生活環境が似ているから。miiさんは25歳の社会人3年目、中小企業にお勤めで、通勤の便利さから東京・世田谷という家賃高めのエリアにお住まいです。今年1月から1人暮らしをはじめた娘も似たような環境なので、きっとmiiさんの話しを自分と重ねてくれるはず、そんなふうに思ったのです。
そして、miiさんは社会人3年目で貯金が500万円に達しているのですが(驚)、お金が貯まるようになったきっかけはただ1つ、家計簿をつけはじめたこと。こんなふうに言い切っているのも気に入りました。もちろん、家計簿の効用を説く人は他にもたくさんいますが、お金が貯まった理由(=家計簿をつけてよかったこと)をmiiさんの言葉でわかりやすく説明しているところもいいですね。
例えば、miiさん曰く、「家計簿は支出を把握するためのもの。支出がわかると収入との差や月々の変化など、お金の流れがひと目でわかるようになります」、「いつのまにかに消えてしまうお金がどんどん減って、それが貯金として残るようになります」、「やみくもに節約しなくちゃとあくせくするのではなく、数字というたしかな根拠をもとに、これくらい使っても大丈夫と安心してお金を使えます」、「家計簿をつける時間は、お金と向き合う時間。お金とものに対する意識が変わります」とのこと。
著者が自分事として考えて経験したことは、やっぱり、わかりやすいし伝わりやすい、そんなふうに思いました。