企業型DC、iDeCo+、職場iDeCoの3つを比較

職域で確定拠出年金(DC)を実施するならば、企業型DCがあります。以下では、企業型DCとiDeCo+、職場iDeCoを比較してみましょう。

【企業規模】
企業型DC  :企業規模の限定なし
iDeCo+  :従業員数300人未満に限定
職場iDeCo:企業規模の限定なし

【加入対象】
企業型DC  :基本的に厚生年金被保険者(第一号厚生年金被保険者)全員。著しく処遇が異なる場合のみ、加入対象外とすることが可能
iDeCo+  :基本的に厚生年金被保険者(第一号厚生年金被保険者)全員。職種等による限定は可能
職場iDeCo:国民年金の被保険者でかつ、事業主払込が可能であること

【手続き】
企業型DC  :労使合意により企業型年金規約を作成し、事業主が厚生労働大臣(具体的には地方厚生(支)局)の承認を受ける必要がある
iDeCo+  :企業型DC同様に労使合意が必要。事業主は国民年金基金連合会と地方厚生(支)局に届出書類を提出し、地方厚生(支)局の確認を受ける
職場iDeCo:行政への届出や労使合意等は不要

【他の企業年金制度の有無】
企業型DC  :他の企業年金制度があっても可能
iDeCo+  :他の企業年金制度がない企業に限定
職場iDeCo:他の企業年金制度があっても可能

【拠出限度額(月)】
企業型DC  :5.5万円(他の企業年金制度がある場合は2.75万円)
iDeCo+  :2.3万円
職場iDeCo:2.3万円、2万円、1.2万円(
※2024年12月からは2万円(ただし確定給付企業年金の掛金相当額や企業型DCの事業主掛金を5.5万円から控除して余裕がある場合)

【掛金設定】
企業型DC :定額・給与比例・ポイント制などの掛金算定が可能
iDeCo+ :事業主掛金と本人掛金をあわせて5,000円以上1,000円単位で拠出。事業主掛金のみは認められない。一律定額もしくは、職種や勤続期間による設定も可能
職場iDeCo:5,000円以上1,000円単位。事業主掛金は存在せず、実施にあたって奨励金等を給与に上乗せする場合もある

【投資教育】
企業型DC :導入時の投資教育はほぼ全規約で実施されており、継続教育についても事業主の努力義務
iDeCo+ :国民年金基金連合会に継続教育の努力義務があり、2020年6月からは、企業年金連合会に継続教育を委託可能
職場iDeCo:国民年金基金連合会に継続教育の努力義務があり、2020年6月からは、企業年金連合会に継続教育を委託可能

【金融機関】
企業型DC  :運営管理機関・資産管理機関ともに規約で決定
iDeCo+  :個々人が金融機関を選定
職場iDeCo:個々人が金融機関を選定

【税制上の扱い】
企業型DC:事業主掛金は損金算入。加入者掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象
iDeCo+  :事業主掛金は損金算入。本人掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象
職場iDeCo:本人掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象。奨励金は給与所得

【掛金拠出方法】
企業型DC  :事業主が資産管理機関に払込
iDeCo+  :事業主払込
職場iDeCo:事業主払込