介護保険を大きくオーバーした自己負担額が…

介護保険の要介護5で支給される上限額は1カ月36万650円ですが、上限を超えてサービスを受けた分は全額自己負担となります。1日3回の訪問介護では、介護保険の上限を超えないのでしょうか。

「もちろん、介護保険では賄いきれません。だから、毎月20万円近く自己負担をしています。(そして、その約20万円も)主人と私の年金だけではとても払えません」

毎月約20万円も自己負担をしているとなると、ご主人は介護付き老人ホームなどの施設に入ることも可能ではないでしょうか。

「もちろん、施設に預けたほうが私もラクですよ。でも1人息子も帰ってこないし、主人を施設に入れたら私が1人ぼっちになってしまう……。だから、入れ替わり立ち替わりヘルパーさんに来てもらえる家での介護が、私のためにもいいと思ってるんです」

そうなると、年金だけでは賄いきれない介護費用の不足分は、預貯金を取り崩していたのでしょうか。

「ご相談したいのは、まさにそのことです。私はバブルの頃から投資が好きで、投資信託や債券を買っていました。主人は現役の頃、会社役員だったので蓄えや退職金もそれなりにあり、私が投資でさらに増やしてきたのです。だから、主人の介護のお金のことも“なんとかなる”と思っていました。
ところがここ数年、持っている投資信託(毎月分配型ファンド)の分配金がどんどん下がってきてしまって……。一時期は毎月40万円ほどの分配金を受け取っていたので、介護の費用はそれで賄えていたのです。しかし、今では半分以下になってしまいました。
銀行や証券会社の人は商品を入れ替えれば解決するといって、次々に新しい投資信託を勧めてきます。でも、私は、自分が内容を理解できない商品をむやみに買いたくありません。そこで、運用商品を売る立場でないFPさんに、どんな投資信託を買えばいいのか伺いたかったのです」

 

後編では、石井家の資産状況を見ながら、アドバイスを送っていきます>>