少子高齢化が進み、高齢者が高齢者を介護するいわゆる「老老介護」が増えています。介護は力のいる仕事が多く、特に体力のない女性には大きな負担になります。そのため、多くの家庭では自宅での介護が難しくなると、施設への入居を選択することになります。一方、介護される人の中には、自宅で過ごすことを希望する人が多いと言われています。
今回は、自宅でご主人の介護を続ける老婦人の事例をご紹介します。
きっかけは、以前の相談者からの紹介
ある日、以前FP相談を受けられた青山さん(仮名)という女性から、「私がホームヘルパーとして訪問しているお宅の奥様の相談にのってほしい」とご連絡をいただきました。自宅で寝たきりのご主人を介護していて外出がなかなかできないため、出張相談をご希望とのこと。
青山さんのお話では、相談者は石井頼子さん(仮名)という80歳の女性で、自宅で89歳のご主人(拓郎さん・仮名)の介護をしています。拓郎さんの介護保険の介護度は最も重い「要介護5」で、高齢の女性1人での介護は困難なはずです。通常なら施設に預ける人が多いところですが、頼子さんは自宅での介護を続けています。また、バブルの頃から運用で資産を増やしてきた、いわゆる「財テク主婦」だそうです。