・100万円使っても90万円が控除? 知らないと「かなり損」な優遇税制

「URであーる」のCMでおなじみの「UR賃貸住宅」は1955年7月25日に誕生します。60年以上たっていることもあり、以前はいわゆる「団地」に「古い」といったイメージを持つ人も少なくありませんでした。しかし近年はきれいにリノベーションされた物件も増えてきており、堅牢な造りや低い初期費用といった魅力も相まって再び注目されています。

今日は誕生から67周年を迎えるUR賃貸住宅に焦点を当ててみましょう。また、これまで数多くの論争を巻き起こしてきたテーマの1つ「持ち家vs賃貸」について、どちらが安く住めるかコストを比較してみました。ぜひ最後までご覧ください。

団地はサラリーマン憧れの暮らしだった?

UR賃貸住宅を運営しているのは「UR都市機構(独立行政法人都市再生機構)」です。当初は「日本住宅公団」という名前で、都市部の住宅不足を解消する目的で建設省(現国土交通省)が立ち上げました。当時の日本は高度経済成長期を迎えており、都市部には地方から大量の労働力が流入していたのです。

UR都市機構は大規模な団地を建設し、これらの住宅不足に対応します。特に高島平団地」(東京都板橋区)は最大規模の団地で、総戸数は1万170戸にもなりました。1世帯に4人住むと考えると、1つの団地に4万人もの人が集まることになります。このようにUR都市機構は大規模な団地を建設し、2015年3月末までに88万3038戸もの住宅を供給しました。UR都市機構の存在なくして日本の経済成長は成り立たなかったでしょう。

しかも、当時団地は憧れの的でした。ステンレス製の流し台や水洗トイレは当時の最先端で、戦後間もない日本では普及しているとはいえませんでした。団地住まいは豊かでモダンな暮らしとされ、一種のステータスと考えられるようになります。入居者は抽選で決められたことから、新しく募集されると窓口には応募者が殺到したようです。