まずは持ち家の住宅ローンのデータを確認します。住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査(2018年度)」によると、「土地付注文住宅」の住宅ローン返済額は平均で1カ月あたり11万3300円、平均返済期間は約34年1カ月でした。ここから平均返済総額は4633万9700円と計算できます。これと別に手持金(頭金)が平均447万円あるため、持ち家を新築で取得する場合の総費用は5080万9700円となりました。

【持ち家の住宅ローンにまつわる平均(全国)】
・1カ月あたり予定返済額:11万3300円
・返済期間:約34年1カ月
・手持金:447万円
※合計:5080万9700円(34年1カ月分の予定返済額+手持金)
※「土地付注文住宅」の値

出所:住宅金融支援機構 フラット35利用者調査(2018年度)

次に賃貸のデータを確認しましょう。総務省の「住宅・土地統計調査」によると、1カ月あたりの家賃の平均は5万5675円、共益費・管理費の平均は2624円で、合わせると5万8299円でした。

ただし、この調査における借家の平均住宅面積は46.56平方メートルです。上述した持ち家の平均住宅面積は112.2平方メートルと差が大きく、単純な比較に適しません。面積を持ち家(112.2平方メートル)に合わせると、家賃は14万489円と計算できました。

【家賃(共益費・管理費含む)の平均(全国)】
・5万8299円(平均住宅面積:46.56平方メートル)
※112.2平方メートルあたり:14万489円

出所:総務省 住宅・土地統計調査(2018年)

持ち家と賃貸におけるコストの分岐点は、持ち家の新築費用5080万9700円を、家賃14万489円で割ると計算できます。計算するとおよそ362カ月、つまり約30年以上住むなら持ち家の方が低コストだと算出できました。引っ越しなどの予定がなく、同じ場所に30年以上住み続けるような人は持ち家を検討してみてはいかがでしょうか。 

ただし持ち家は他に固定資産税や都市計画税といった税金が発生します。また、長く住むことで修繕費などが発生する可能性もあるでしょう。これらの費用を考えると、もう少し長く住まないと持ち家の方が高コストとなってしまうかもしれません。持ち家の取得は慎重に判断するようおすすめします。 

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。