まとめると、医療費が18万8000円を下回るならセルフメディケーション税制が、18万8000円を超えるなら医療費控除の方が有利となりました。また、医療費が1万2000円以上~10万円未満だと、実質的にセルフメディケーション税制しか選べません。
ただし、「医療費」に含まれる費用の違いには注意してください。医療費控除は治療にまつわるさまざまな出費を医療費に含めることができますが、セルフメディケーション税制は特定の医薬品の購入費しか含められません。このため同じ治療を受けていても、セルフメディケーション税制は「医療費」そのものが小さくなりやすく、控除額も小さくなりやすいです。
【「医療費」に含まれる主な費用】
また、セルフメディケーション税制の適用を受けるためには、健康診断や予防接種といった健康のための「一定の取り組み」が必要です。医薬品の購入だけでは控除を受けられないため注意しましょう。なお、医療費控除とセルフメディケーション税制はいずれも確定申告が必要です。
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。