生き残りをかけた百貨店の新ビジネスとは

こうした状況を受け、各百貨店は新しいビジネスに次々に参入しています。大丸松坂屋百貨店は2021年3月、ファッションのサブスクリプションサービス「AnotherADdress(アナザーアドレス)」を開始しました。月額1万1880円でハイブランド服を3着レンタルでき、気に入れば購入もできるサービスです。

金融業に参入する百貨店も少なくありません。丸井グループは2018年に「tsumiki証券」を設立し、インターネット証券業に参入しました。また、高島屋はもともとクレジットカードなどを取り扱っていた金融部門を2020年に再編し、「高島屋ファイナンシャル・パートナーズ」として対面で本格的な資産運用アドバイザリーを開始しています。

上記のようなビジネスは強力なライバルもいるため、百貨店の救世主となるのか未知数です。ただ百貨店のブランド力は消費者から一定の支持を受けるかもしれません。

【大手百貨店の業績】

※J.フロントリテイリングはIFRS(国際会計基準)、他4社は日本基準

出所:各社の決算短信より

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。