・「注目企業」が上場も株価“急変”を規制? 東証が新たなルールを実施
およそ14年前、命を守るはずのエアバッグで死亡事故が起きてしまいました。事故の原因となったのは日本の大手自動車部品メーカー「タカタ」製のエアバッグとみられ、シェアが大きかったこともあり被害はアメリカなど世界中で発生します。
タカタは2017年に民事再生法の適用を申請し、事業のほとんどを外国企業に譲渡して経営破綻しました。今日はタカタが破綻した経緯と、タカタのように外国企業に買収された日本企業、また破綻した企業にあえて投資する「ディストレスト投資」について解説します。
死者続出で大規模リコール、製造業では戦後最大の破綻
タカタはエアバッグの世界シェアの約2割を占める大企業でした。しかし国土交通省によると、2004年以降にタカタ製エアバッグの異常が原因とみられる事故が連続して起こります。エアバッグは高速で膨張させるため化学反応を用いガスを発生させますが、タカタ製エアバッグはそのガス発生装置が破裂し金属片が飛散する不具合が発生していました。
特に2009年5月、アメリカで最初の死亡事故が報告されると世間の目は一層タカタに注がれます。死者数は世界で少なくとも18人が報告され、世界的な大規模リコールに発展しました。2008年以降に発生したリコール台数は世界で8100万台以上に上り、タカタには巨額な費用が発生します。
タカタは2017年6月26日に民事再生法の適用を申請し、経営破綻を迎えました。破綻時の負債1兆5024億円は製造業として戦後最悪の数値です。
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