アジア・太平洋地域でも東京は5位に低下。国際化を進め海外企業の誘致に尽力

地域をしぼることでその地域特性に即した意外な金融都市も見えてくる。例えばアジア・太平洋地域ではどうだろう。日本がいかにアジアの成長都市に追いつき追い越されているかが分かる。

アジアにおいても香港、中国、シンガポールなどが日本を上回っており、三大金融市場どころか日本の地位はアジア諸国の中でも国際金融センターとしての競争力がどんどん低下していることが見てとれる。

1位:香港
2位:上海
3位:シンガポール
4位:北京
5位:東京
6位:深圳
7位:ソウル
8位:シドニー
9位:広州
10位:釜山
11位:オーストラリア・メルボルン

といった順番だ。

東京が世界三大国際金融センターの一角を占めていたのは1980年代頃で、バブル崩壊とともに競争力を失い、今に至る。アジアの国際金融センターとして真っ先に現在名前が挙がるのは、もはや香港かシンガポールだ。この背景には日本は英語が公用語として通用しなくビジネス上の手続きなどが進めにくいことや、法人税率が高いこともあり、金融ビジネスの拡大にはつながっていない。競争力を失ったまま年月がたって久しい。

それどころか外資系証券会社も一度は日本へ進出を果たしたものの次々と撤退しているのが事実だ。そのような中で、金融庁は2021年1月に、日本に参入する海外の資産運用会社などの登録に関する事前相談や登録手続き、登録後の監督について、英語でワンストップ対応するサポートオフィスを設置した。2021年6月には霞が関庁舎内から日本橋の兜町に移設。金融行政の英語化を進めて国際金融センターとしての地位向上を目指すとしている。実際に海外の資産運用会社が投資助言などの登録を済ませるなど活用が広がっている。