ドル建て資産の保有者は米国の景気後退に注意

為替ヘッジを検討するうえで重要なドル円相場の展望はどうだろうか。

2022年6月時点で、ドル円は130円台と約20年ぶりの円安水準に達している。主な原因は日米間における金利差の拡大。マイナス金利政策を敷く日本とは異なり、インフレ対策に奔走する米国では利上げのさらなる加速が見込まれている。

しかし米国では、急激な金融引き締めによって米国経済が大きく停滞してしまうのではないかとの見方も強まっている。現在の株安は、将来の景気後退を織り込み始めたからだとする意見もある。実際に景気指標が悪化し始めて、インフレも落ち着きを見せれば、FRB(連邦準備制度理事会)は政策金利の引き上げに消極的になることが考えられる。

一方日本では2022年6月に、コロナ禍による外国人観光客の入国規制を大幅に緩和。欧米諸国に遅れながらも経済再開の動きが鮮明になってきた。政府による消費需要の喚起策も検討されるなど、コロナ禍で長らく低迷していた国内経済に明るい話題が相次いでいる。景気が持ち直せば、日本銀行が現在の低金利を見直す可能性は十分に考えられる。

以上を考えると、現在の円安水準が今後も続くとは限らない。今後の円高局面を想定し、為替ヘッジを意識しておくだけでも大いに意義があるだろう。