〈前編のあらすじ〉
孫を熱望する義母との折り合いが徐々に悪くなり、しばらく連絡も断っていた宮本佳代さん(仮名)。マンションを購入し、夫婦2人の人生を楽しもうとしていたところ、夫・健司さん(仮名)にがんが発覚、あっという間に進行し、帰らぬ人に。
義父は健司さんの遺骨を実家の墓に入れようと提案しましたが、それを聞いた佳代さんは、骨壺を抱えたままタクシーに飛び乗ってしまいました……。
※本記事で紹介されている事例は、個人が特定されないよう一部変更・再構成しています。
義実家と夫の遺産を分け合わなければいけない…
私は夫の健司の骨壺を抱えて、2人の終の棲家になるはずだったマンションに帰りました。せめて今からでも、この部屋で2人の時間を過ごしたい。私は健司のお骨をしばらくこの家に置いておくことに決めました。もちろん、健司の思いを果たすべく、義両親には渡しません。
義両親も、私の気持ちが落ち着くのを待っていたのでしょう、すぐには連絡はありませんでした。ただ義両親もお骨を拝みたい気持ちはあるでしょうから、こちらのマンションに来たいと連絡があるのは時間の問題なのも頭の片隅で分かっていました。
さらに、気がかりは相続です。例えば、このマンションの所有権の大部分は、亡き夫にあります。
この問題をなんとかしなければなりません。しかも、がんの治療でお金を使ってしまったために、もはや手もとには200万円しかありません。
そこで私は、こうした問題に詳しいファイナンシャルプランナーの安田まゆみさんに連絡をすることにしたのです。
ここからは、安田まゆみさんに佳代さんに送ったアドバイスと、解決に向けどのような取り組みをしたのかを解説してもらいました。