金融とコンサルの仕事こそ心血を注ぐべき仕事と確信
就職活動では複数のコンサルティング会社を受け、いくつか内定をもらいました。さて、どこに行こうかと考えていた時、ある銀行の先輩に言われた一言で、内定を全部断ることにしました。
その一言とは、「お前、バカなんじゃないの?」。
続けて、こう言われました。「そもそも、モノを言うだけでカネを出さないようなコンサルタントの話を有難がって聞く経営者はいない。カネを出したうえでモノを言うから人は話を聞いてくれるんだ。俺がいる銀行は、まさにそれをやっている」。要は、長期資金を貸しながらコンサルティングをすることで、その取引先と「Win-Win関係」を築くということです。金融とコンサルの融合ですね。
これだ、と思いました。これこそ自分が心血を注ぐに値する仕事だと確信しました。その先輩の働いている銀行が日本長期信用銀行だったこともあり、そこに就職することにしたのですが、同行を選んだもうひとつの理由は、海外留学できる可能性が高いと思ったからです。
正直、英語は全然出来なかったのですが、海外に行けば話せるようになるはずだと思っていました。だとすれば、採用人数が他の銀行などに比べて圧倒的に少ない日本長期信用銀行に入った方が、ライバルが少ない分、海外留学・海外赴任できる確率が高まると考えたのです。
しかし、いざ入ってみると周りの同期はめちゃくちゃ優秀でした。英語なんて話せて当たり前という人ばかりだったのです。これはまずいと思って、英会話教室に通い始めました。
当時、英会話教室は30分で9000円くらい授業料がかかったので、自分が働いている銀行からお金を借りて、英語力に磨きをかけました。
ところが、確かに自分の英語も上達しましたが、ライバルもこの間、英語が上手になっているので、距離がなかなか縮ません。まるで逃げ水のようでした。