<前編のあらすじ>
相談者の大竹直樹さん(仮名)は、一部上場企業に勤務する35歳の男性。3歳年下の妻のめぐみさん(仮名)は専業主婦で、二人の間には5歳、3歳、1歳の3人のお子さんがいます。
一昨年、夢のマイホームを建てましたが、住まいのプランを考えるうちに、夢はどんどん膨らんで、気付けば予算から500万円オーバーの4500万円に(自己資金を500万円入れて、借り入れは4000万円)。
そして、ローン返済により月々の家計は赤字、ボーナスで補填する事態に。毎月赤字の家計を解決させる糸口を求めてFP事務所を訪れた大竹さん夫妻。
大竹さんは「もう家を売ったほうがいいんでしょうか?」と言いますが、果たしてFPの見解は……?
家を売っても万事解決とはならない!? ローンが残るケースも…
「家を売ったほうがいいんでしょうか」と大竹さん。ローンの返済が苦しくなってマイホームを売却するケースもありますが、それはローンを滞納するようになってからの話です。しかも、住宅ローンが残っている家(抵当権付きの家)の売却は簡単ではありません。売却金額でローンが完済できなければ、足りない分は自己資金で賄わなければならないのです。4000万円近くの残債がある現状では、売却してもローンが残る可能性も十分考えられます。
一般的に住宅ローンが滞納になるのは、勤務先の業績が悪化して収入が減るケースがほとんどです。幸い大竹さんの会社はコロナ禍の現在でも好業績で、当面は給料やボーナスが減らされる心配はなさそうです。つまり家計は赤字であっても、今後も住宅ローンを滞納するまでには至らないと考えられます。