〈前半のあらすじ〉

独身の須賀さん(仮名、50代女性)は、ペットの「ロシアンブルー」が生んだ4匹の子猫の引き取り手を探すことに。里親募集サイトを利用すると、程なく1組の夫婦が応募してきました。

「子猫の様子が確認できるよう写真を送る」という夫婦の言葉を信用し、須賀さんは6万円を支払って4匹を譲渡。しかし、なかなか写真は送られてこず、しまいには音信不通になってしまいます。

子猫の安否を心配した須賀さんは「里親詐欺」を疑い、悩んだ末に訴訟を起こしたのですが……。

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驚くべき事実が明らかに

訴訟を起こしたところ、証拠調べなどによって詐欺の実態が明らかになりました。
そもそも里親サイトでやりとりしていた夫婦は実際の引き取り手ではなく、引き取りを希望していた男の代理だったのです。男は中年の独身だったので直接応募すると須賀さんに警戒されると考え、夫婦に代理をさせていたのでした。

しかも男は子猫を引き取るとすぐに、ペットショップへ転売していたのです。飼い主にワクチン代を負担させて引き取り料を請求し、自分では飼わずにショップへ売りつけて利益を得る商売をしていました。

ペットショップへ移された後、子猫のうち2匹は既に売れてしまい、2匹だけが残っている状態でした。

須賀さんはペットショップ側とも話し合い、残った2匹を引き取らせてもらいました。ただしペットショップは男へ費用を払っていたので、須賀さんも一部負担しなければなりませんでした。

男へ損害賠償請求しましたが、「金がない」などと言って払わないので強制執行しなければならず、さらに弁護士費用もかさみました。

結果的に須賀さんは膨大な時間と費用をかけて2匹の子猫を取り戻せましたが、そもそも自分で飼うのは難しかった子猫たちです。時間もかかり、子猫は相当大きくなってしまいました。かといってもう二度と里親サービスを使う気にはなれず、今後2匹を自分で飼えるのか非常に悩んでいます。

なお里親ボランティアや弁護士からは「虐待されて死んでしまう場合が多いので、2匹返ってきただけでもよかった」と言われました。