犬や猫などのかわいいペットは癒やしですし、家族の一員として大切にしている方も多いでしょう。
ただ赤ちゃんが生まれて数が増えてしまうと、自分では飼えなくなってしまうこともあります。どうしても飼えない場合、「愛情を注いでくれる温かい家庭に迎えてもらえないだろうか?」と考えるでしょう。
実はペットの引き取りや里親サービスを利用した悪質な「里親詐欺」が増えています。特に近年ではネットを通じて簡単に里親に応募できるのでこうした事例が目立ち、中には裁判になっているものもあります。
今回は「ペットを譲るときのトラブル」として、里親詐欺に遭った須賀さん(仮名、50代女性)のケースをもとに、実情や対策を検討してみましょう。
須賀さん(50代女性・独身)のケース
須賀さんは「ロシアンブルー」という品種の美しい猫を飼っています。名前は「ブルー」といい、独身で子どももいない須賀さんにとってはブルーが唯一の家族です。
あるとき、ブルーが4匹の赤ちゃんを生みました。須賀さんは1人で仕事もしているので、たくさんの子猫を飼えません。そこで里親募集サイトでブルーの赤ちゃんたちの引き取り手を探すことにしました。
代金を払って子猫を譲渡
サイトでブルーの赤ちゃんの子猫たちを紹介してもらうと、程なく「里親になりたい」という夫婦から応募がありました。相手夫婦には須賀さんと同じように子どもがなく、猫好きで温和そうな方たちでした。
「4匹とも引き取れる」「飼い主様に代わって責任を持って、家族として迎えます」「元気にしているか確認できるよう写真も送ります」などと丁寧に対応してくれそうな様子だったので、須賀さんは信用してその相手へ子猫たちを譲渡することにしました。
なお相手の要望により、子猫たちにかかるワクチン代は須賀さんが負担することになりました。また4匹分の引き取り代金として6万円を要求されたので、須賀さんは払うことにしました。