年齢と過去の暴落から考えるリスク許容度

過去、歴史的な株価の暴落が生じた後、底値から暴落前の高値を奪還するまでの期間がどの程度だったのかについて、見てみましょう。日本の株価だと、バブル経済が崩壊して30年以上、日経平均株価は過去最高値を更新していないので、ここでは米国の株価(S&P500)で回復期間を見てみたいと思います。すると、以下のようになりました。

ブラックマンデー(1987年)・・・・・・約1年8カ月
ドットコムバブル崩壊(2000年)・・・・・・約4年7カ月
リーマンショック(2008年)・・・・・・約4年
コロナショック(2020年)・・・・・・約6カ月

コロナショックのように短期間で回復するなら良いのですが、大抵の場合、相場が大底を打った後、暴落前の水準を回復するには数年の期間を要しています。この33年間で、底打ちから暴落前の水準を回復するまでに一番長くかかったのが、ITバブルといわれるドットコムバブル崩壊の約4年7カ月ですから、株価の回復には5年程度の時間を要すると考えておいた方が良さそうです。

若い頃の5年は大したことありませんが、高齢になり、残り時間が短くなってからの5年は非常に大きいと考えるべきでしょう。70歳をゴールにした時、69歳で株価の暴落に直面すると、リカバリーする前に自分の命の時間が尽きてしまうことも考えられます。ですから、ある程度の余裕を持たせて、60歳くらいから徐々にリスク資産の比率を減らした方が良いと考えられます。確定拠出年金で、60歳以上になると元本確保型商品の比率が上がるのは、その意味で合理的な判断といっても良いでしょう。