年齢が上がるにつれ、徐々にリスク資産を抑えるのは合理的

これは同レポートでも指摘されていますが、年齢が上がるにつれて、リスクを抑えたポートフォリオに移行するのは、正しい判断です。最近は、「人生100年時代なのだから、70歳でもリスクを取った運用を」という意見もありますが、これはある意味、詭弁ではないでしょうか。

確定拠出年金の場合、運用指図者として運用できるのが70歳までなので、ここから先はあくまでも一般的な資産形成の話として読んでいただきたいのですが、120歳まで生きられる自信があるならば、「70歳から100歳までの30年間、長期投資で増やしたお金を120歳までの生活費に充てる」、というプランは成り立ちます。

でも、そこまで生きられる人は、ほぼ皆無といっても良いでしょう。その前に、恐らく80歳前後になった時点で認知能力に支障をきたし、投資のことを考えられるだけの余裕が無くなります。

そう考えると、「70歳からでも遅くありません。投資しましょう」と言うのは、あまりにも無責任です。特に根拠があるわけではないのですが、後期高齢者が75歳以降だとすると、たとえば70歳くらいまでには投資を終わらせ、そこまでに積み上がった資金で余生を過ごすのが、そこそこ正しいプランではないでしょうか。

大事なのは、漠然と積み立てるのではなく、しっかりゴールを決め、それに向けて計画的に資産形成を行うことです。仮に資産運用のゴールを70歳に定めた場合、60歳以降、徐々にリスク資産の比率を下げるのは合理的です。