年齢に応じた元本確保型商品の運用比率を再考すべき

一方、残念なのは若い世代の運用商品選びです。19歳以下で49.7%、20~29歳で42.8%が元本確保型商品を選んでいますが、この世代は70歳を資産運用のゴールとすると、40~50年程度の運用期間があります。

これだけ運用期間が長期になると、恐らく数回は株価の暴落に直面するでしょう。でも、恐らく運用をし続ければ、どこかで暴落前の水準を回復するでしょうし、世界経済が今後も成長するならば、株価は暴落前の水準をクリアして、さらなる高値に向かって値上がりするはずです。その上昇によって自分の資産を大きく増やすためには、リスク資産による運用比率を出来るだけ高めておくことです。

そもそも保有している金融商品が確定拠出年金だけという人の方が少数でしょう。多くの人は預貯金にお金を預けているでしょうし、保険にも加入しているはずです。そうであるにも関わらず、確定拠出年金を通じて元本確保型商品で運用する意味が分かりません。

リスク商品のなかで人気の高いバランス型投資信託もそうです。バランス型投資信託とは、簡単に言えばリスク商品と安全性の高い商品を組み合わせることで、リスクの軽減と資産価値の成長の両立を狙ったものですが、自分の保有資産に預貯金があるならば、バランス型のポートフォリオを持っているのと同じことです。わざわざバランス型の投資信託で運用する必要はないのです。

むしろこの年代は国内株式、外国株式の投資比率を出来るだけ高めることによって、資産を大きく増やすことに注力した方が良いでしょう。