がん保険はいらないって本当?

がんになったときの経済的な支えとなるのが「がん保険」です。医療保険と似ていますが、医療保険は多くの病気やけがを網羅的にカバーするのに対し、がん保険は基本的にがんだけを保障します。

【がん保険と医療保険の違い】

 

公的医療保険や民間の医療保険でもがんは保障されることから、がん保険は不要と考える方も少なくないようです。しかし、がんの治療費は高額になるケースもあり、公的医療保険や通常の医療保険では保障が不足するケースに気を付けなければいけません。

【がんの部位別 入院医療費の平均】

※2020年4月~2021年3月

出所:全日本病院協会 診療アウトカム評価事業 医療費

もちろん手厚い保障には相応の保険料も発生するため、がん保険で収支がプラスになることは基本的にないでしょう。がん保険を不要と考える方の多くはこの点を論拠にしていると考えられます。

しかし、そもそも保険に加入するメリットは「保険料以上の保険金を受け取る」ことではなく、「治療費の負担を加入者全体で分散できる」ことにあります。保険がなければ治療費を1人で負担しなければいけませんが、保険に加入していれば治療費を加入者全体で分担することができます。

まずはこの点を冷静に考え、改めてがん保険の必要性を検討してみてください。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。