それぞれの商品の特徴は?

貴金属

貴金属は「金」「銀」「プラチナ」など。貴金属は希少性があり、電子材料など工業分野でも需要も多いため価値がなくなりにくいとされている。とくに金は「有事の金」と呼ばれることもあり、情勢の不安定化などで貨幣の価値が下がりそうな局面ではリスクヘッジの投資先として候補に挙がりやすい。

冒頭でも触れたが今回のウクライナ情勢の緊迫で地政学的リスクが高まった際にも、金は株式市場と反する動きを見せた。日経平均株価が大きく下落を続けるなか、金価格は2月24日時点で1グラムあたり7805円と過去最高額を記録。未だに安全資産として根強い人気を誇ることが分かる。

エネルギー資源

エネルギー資源としては「原油」や「天然ガス」などが投資対象として挙げられる。エネルギー資源は世界情勢の影響を受けやすい特徴があり、例えば原油はコロナ禍で大幅に下落した。

原油価格の指標として一般的に使用されるWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)は2020年のはじめまで1バレルあたり50〜60ドルあたりで推移していたが、同年3月からはコロナの影響で需要が低下したこともあり20ドル近くまで価格は急落。そして、昨今のウクライナ情勢により金同様に高騰を見せ、2022年2月末には100ドル近くまで上昇している。

農作物・畜産物

農作物は「トウモロコシ」や「大豆」が代表的だ。畜産物は「生牛」や「豚赤身肉」、「鶏肉」などがある。主に食料として利用されるため、需要がなくなりづらいという特徴を持つ。一方、豊作による供給量の増加や天災による不作など気候条件の影響を受けやすく、価格変動の予測が難しいという側面もある。

穀物や畜産物の指標価格はシカゴ商品取引所で形成される「シカゴ相場」を用いることが多い。シカゴ相場は歴史的な干ばつなどの供給不足で一時的な高騰があったケースを除き、ほぼ横ばいで推移。ただし、近年ではバイオ燃料などのエネルギー需要もあり価格は上昇傾向にある。今後、クリーンエネルギーの普及が進めば、より安定したリターンが期待できるだろう。

 

●金や原油の高騰により注目度は高まるいっぽうだが、コモディティ投資には注意点も… 後編へ続く>>