30~40代なら「ウィルコム」と聞いて懐かしいと思うでしょう。ウィルコムは国内最後のPHS事業者で、定額の音声通話プランとカラフルな機種「HONEY BEE(ハニービー)」シリーズで人気を集めました。恋人同士でウィルコムを持ち合い、長電話を楽しんだ方も多いのではないでしょうか。

ウィルコムは2010年の2月18日に経営破綻を迎えます。どうしてウィルコムが破綻することになったのか、その経緯を確認しましょう。また、高いと批判されることも多い日本の通信料金について、その国際比較も紹介します。

国内最後のPHS事業者

ウィルコムは2010年2月18日、会社更生法の適用を申請し、事実上の破綻を迎えました。破産時の負債総額は2060億円と、通信事業者としては戦後最悪の水準です。同年に携帯電話大手ソフトバンクがウィルコムの全株式を取得しており、2014年に現在のワイモバイルとなりました。

PHSは「Personal Handy-phone System」の略で、既存の電話回線に小規模のアンテナを設置し、端末と電話回線を無線でつなぐ通信サービスです。1995年に開始されますが、比較的料金が安かったため多くの若者がポケベルからPHSへ移行しました。

しかし携帯電話の通信網が発展したこともあり、国内における個人向けのPHS事業は2021年1月に終了しています。もっとも、当時PHS事業を展開しているのはウィルコムを引き継いだワイモバイルだけでした。音声品質に優れるPHSは病院で採用されているケースが多いですが、それも2023年3月末で完全終了する見込みです。1995年からスタートしたPHSの歴史は30年足らずで幕を下ろします。