流入資金の大半は米国株式市場に

とはいえ、外国株式型をタイプ別にみると、アジア・オセアニアの株式市場に投資するタイプは1303億1400万円の資金流出である反面、グローバル・複合地域は4兆8578億円の資金流入、米国・北米が2兆9469億7900万円の資金流入です。グローバル・複合地域に投資するファンドの場合、世界中の株式市場に分散するものの、時価総額が大きな米国株式市場への投資比率が高めになる傾向が強いので、流入した資金のかなりの部分が、米国株式市場に流れていることが推察できます。

このように、多額の資金流入が生じた外国株式型のうち、個別ではどのファンドに資金が集まっているのかも、同レポートで分かります。ちなみにこの1年間を通じての資金流入額では、アライアンス・バーンスタインが設定・運用している「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」が、9393億6200万円を集め、純資産総額が1兆7368億1600万円にも達しています。

それと同時に注目したいのが、資金流出額、資金流出率の上位15ファンドのデータです。資金流出額、資金流出率の上位15ファンドに自分の保有しているファンドが入っている場合は、注意して下さい。ここに掲載されているデータは、組入資産の値動きから増減に影響を受ける純資産総額ではなく、純粋に資金の流出入によるものなので、資金流出額・資金流出率の上位に来ているファンドには、かなりの解約が生じているものと考えられます。

継続的に解約が生じているファンドは運用難に陥り、成績が悪化するリスクが高まります。もし自分の保有ファンドがここに掲載されたら、その後も継続的にこのレポートで資金流出状況をチェックするようにして下さい。もし、資金流出が止まらない場合は、純資産総額の絶対額にもよりますが、解約を検討する必要があります。純資産総額が100億円を超えている段階ではまだ余裕がありますが、たとえば50億円を下回ったら黄信号、30億円を下回ったら赤信号と考えるべきでしょう。