銀行や証券会社などの金融機関に勤務し、投資信託をはじめとする金融商品の販売関連業務に携わっている人を対象とする専門誌『Ma-Do(マ・ドゥ)』。同誌では、読者である金融のプロフェッショナルの方々に「もし自分がいま買うとしたらどの投資信託なのか?」を定期的に調査している。ここでは、その最新の結果を、選んだ理由の具体的なコメントとともに紹介したい(実施期間:2021年10月下旬~ 11月上旬、N=115)。

株式を投資対象とする2ファンドが同率1位

今回は回答結果がかなり分散される形となったため、上位4ファンドを紹介する。

①「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」
  <三菱UFJ国際投信>
①アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信
  <アライアンス・バーンスタイン>
③グローバルAIファンド
  <三井住友DSアセットマネジメント>
④投資のソムリエ
  <アセットマネジメントOne>

1位になったのは「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」。「eMAXIS Slim」は主にネットチャネルで取り扱われているインデックスファンドのシリーズで、常に「業界最低水準の運用コストを目指す」ことが最大の特長だ。同ファンドはその中で、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指すもの。直近の資金流入額、純資産残高でいえば、同シリーズの「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が上回っているものの、全世界への分散投資が支持されているのは、やはり金融プロフェッショナルらしい選択と言えるのかもしれない。

「安いコストで世界株に投資できる。資産運用のベースとして最適」(東海地方の地銀・本部)。「世界経済は成長し続けていくと思うし、投資家としてはコストが安い点が気に入っており、経験上、積み立てで基準価額を気にすることもなくほったらかしで続けていたら相当増えた」(関東地方の地銀・支店)。

同率で1位になったのは「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」。為替ヘッジの有無、決算頻度などが異なる4コース合計の純資産残高は2兆円を超え、今や日本の投信市場を代表するファンドにまで成長した。「安心できる実績。運用も安定感抜群。これだけ資金導入があるのも納得できる。下手なものに手を出すより王道でいい」(中国地方の地銀・本部)。