前回との比較ではESG関連ファンドがランク外に

3位に選ばれたのは「グローバルAIファンド」。いわゆるテーマ型の株式ファンドではあるものの、今後のテクノロジーの発展にはAIが不可欠になり、一過性のテーマではないとイメージしやすい点が人気の要因となっているようだ。「身近なテーマであり、分かりやすい」(近畿地方の地銀・支店)。「AIは一時的なテーマではなく、今後人類が生活する上で、必要で欠かすことのできないものと考えます」(関東地方の地銀・本部)。同ファンドは前回のアンケートでも5位に選ばれていて、連続でランク入りした商品はこれだけだった。

4位には「投資のソムリエ」が入ったが、今回の上位では唯一のバランス型ファンドとなった。同ファンドは2020年3月のコロナショックの際、他ファンドとの比較で相対的に下落を抑えられたことで注目が高まった。「市場環境の急変時への対応が優れている商品だと思うので、預金からのシフト、投資初心者にも向いていて、いい商品だと思う」(近畿地方の地銀・本部)。好調な相場環境が続いてきただけに、どうしても株式型のファンドに目が向かいがちだが、分散投資の観点からも、そろそろバランス型ファンドの存在感が高まってくるのかもしれない。

なお、前回との比較で言えば、今回は上位からESG関連ファンドが姿を消す格好になったが、いわゆる「ESGウォッシュ」への懸念が資産運用業界で話題になった影響もあるのだろう。また、冒頭でも述べた通り、今回は回答者の選択が複数の商品に分散される結果となったが、ここ最近は外国株式型のファンドに人気が偏ってきただけに、徐々に新たなカテゴリーへと関心が向かい始めていることの表れである可能性もある。投信市場の潮流は変化するのか、次回の結果にも注目したい。