銀行や証券会社などの金融機関に勤務し、投資信託をはじめとする金融商品の販売関連業務に携わっている人を対象とする専門誌『Ma-Do(マ・ドゥ)』。同誌では、読者である金融のプロフェッショナルの方々に「もし自分がいま買うとしたらどの投資信託なのか?」を定期的に調査している。ここでは、その最新の結果を、選んだ理由の具体的なコメントとともに紹介したい(調査実施期間:2021年7月下旬~8月上旬、N=119)。
上位の多くを占めたのはESG、SDGs関連ファンド
今回のベスト5は以下の通り。
<ニッセイアセットマネジメント>
②グローバルESGバランスファンド(愛称:ブルー・アース)
<野村アセットマネジメント>
③ベイリー・ギフォード インパクト投資ファンド(愛称:ポジティブ・チェンジ)
<三菱UFJ国際投信>
③グローバル・ハイクオリティ成⻑株式ファンド(愛称:未来の世界)
<アセットマネジメントOne>
⑤グローバルAIファンド
<三井住友DSアセットマネジメント>
⑤世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)
<三井住友DSアセットマネジメント>
⑤グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(愛称:未来の世界(ESG))
<アセットマネジメントOne>
1位になったのは「ニッセイSDGsグローバルセレクトファンド」で、設定・運用はニッセイアセットマネジメント。同社はESG、SDGs関連ファンドに早くから力を入れてきたこともあり、設定は2018年5月と比較的早く、その運用実績も良好である点が人気の要因となっている。「SDGsをテーマとしながら、着実に運用成績を伸ばしている点が信頼できる」(関東地方の地銀)。「採用担当者として各投信会社のESG、SDGs関連ファンドを分析し、比較したところ、最も過去の実績がよく、銘柄選択も考えられていると思った」(東海地方の第二地銀)。
2位には「グローバルESGバランスファンド(愛称:ブルー・アース)」が入ったが、同ファンドもESG関連ファンドだ。ユニークなのは同ファンドを設定・運用する野村アセットマネジメントが、この商品から得られる収益の一部を地方公共団体が実施するSDGs関連事業に寄付する仕組みになっている点。「ESG投資に加え、ふるさと支援の機能もあり、地域金融機関としての役割も果たせるファンドであると考える」(北海道・東北地方の地銀)など、地域金融機関にとっては投信販売が地方創生につながることも魅力になっているようだ。
3位には「ベイリー・ギフォード インパクト投資ファンド(愛称:ポジティブ・チェンジ)」と「グローバル・ハイクオリティ成⻑株式ファンド(愛称:未来の世界)」が同率で並んだ。前者はやはりESG関連ファンドであり、選択の理由には「社会課題解決とリターンの両方が追求できる投資信託のため」(中国地方の地銀)などの声があった。
後者は間もなく設定から5周年を迎えるグルーバル株式ファンドだか、「ハイクオリティ成長株へ割安な水準で投資してくれるため、中長期運用に適していると思う」(北陸信越地方の地銀)、「長期視点での運用なのでお客さまも目先のリターンだけではなく、長期で検討してくれる」(近畿地方の第二地銀)など、長期投資に適したファンドとしての評価が高かった。
また、5位には「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(愛称:未来の世界(ESG))」「グローバルAIファンド」「世界インパクト投資ファンド(愛称:Better World)」がやはり同率で並んだ。今回の上位7ファンドのうち、実に5ファンドがESG、SDGs関連ファンドという結果になり、このカテゴリーが投信市場の新たな潮流になりつつあるのは間違いない。