21年に最も資金を集めたのは外国株式型の7兆6892億円
したがって、賢明な投資家になるためには、日本の投資信託の全体像を俯瞰できるような情報を持つ必要があります。そのひとつが、今回取り上げる三菱アセット・ブレインズの「投信マーケットMABアナリスト・アイ」です。
このレポートは毎月作成されているものなので、国内の投資信託市場を定点観測するのに役立ちます。内容としては、「投資信託全体の資金流出入・リターン」、純資産残高上位10ファンドや期間別リターンの上位15ファンドなどの「個別ファンド動向」、「新規設定ファンド」などの分析情報であり、なかでも個別ファンドの動向に関しては、国内株式、国内債券、外国株式、エマージング株式、外国債券、エマージング債券、ハイイールド債券、不動産投信、複合資産というように、タイプ別に資金流入の上位15ファンド、期間別リターンの上位15ファンドが、簡単な分析コメントとともに掲載されています。
同レポートで注目したいのは、まず「資金流出入 資産別詳細」で、過去12か月分の資産クラス別の資金流出入状況です。これを見ると、現在運用されている投資信託のうち、どのタイプが人気を集めているのか、逆に人気がないのかが一目瞭然です。今号では、2021年12月末までの過去1年間の資金流出入状況が掲載されています。それを見ると、この1年間では外国株式型が圧倒的な資金流入だったことが分かります。1年間を通じての資金流出入額を計算すると、国内株式型が337億3200万円の資金流入だったのに対して、外国株式型は7兆6892億7500万円の資金流入となりました。
また、それ以外の資産クラスについての資金流出入額を計算すると、以下のようになります。
・国内債券型・・・・・・3618億5600万円
・エマージング株式型・・・・・・▲2168億1600万円
・外国債券型・・・・・・▲3485億2000万円
・エマージング債券型・・・・・・▲2490億5700万円
・ハイイールド債券型・・・・・・▲2429億1100万円
・複合資産型・・・・・・4238億7700万円
・不動産投信型・・・・・・▲4201億1400万円
・その他・・・・・・3543億7100万円
上記のうち▲が付いたものが資金流出している資産クラスになります。これに前出の国内株式型、外国株式型の数字を合わせて比較すると分かりますが、この1年間を通じて圧倒的に資金を集めたのは、外国株式型になります。