マーケット見通しは市場関係者の見方のひとつ

ちなみに株式市場の時価総額を国別でみると、日本は全体の6.5%ほどです。株式の時価総額が必ずしもその国の経済力とイコールというわけではありませんが、たとえばポートフォリオ全体に占める日本への投資比率を検討する場合の参考値になるかもしれません。つまり、8資産等金額投資の場合、日本の資産は37.5%になりますが、これを6.5%前後にまで下げるように調整するのです。

これを自分で計算して行うのが面倒という人は、グローバル分散投資型の投資信託のなかに、株式時価総額やGDPを参考にして投資対象地域の資金配分比率を決めるという運用方針の商品があるので、こうしたタイプの投資信託を用いてグローバル分散投資を行うのが良さそうです。

いずれにしても、一点集中型の単独による資産クラスのみで運用するのは、保有資産の評価損益が大きくブレるので、あまりお勧めできません。極力、複数の資産クラスに分散投資した方が、評価損益のブレを小さくできます。そして、それが結果的に、目先の急落に直面した時、大慌で解約に走るといった間違った行動を回避する有効な手立てにもなります。

なお、このレポートの最後には、この時期の風物詩になるのかもしれませんが、2022年のマーケット予想が書かれています。それによると、「2022年末の市場予想」ということで、以下の数字が挙げられています。

日経平均株価・・・・・・3万円~3万4000円
日本10年国債利回り・・・・・・0.00%~0.25%
NYダウ・・・・・・3万6500ドル~4万500ドル
米国10年国債利回り・・・・・・1.50%~2.00%
米ドル/円・・・・・・108~118円

 正直、この手の予測は過去、ほとんど当たったことがなく、単なる季節の風物詩のようなものですが、市場関係者が今の段階でマーケットの今後をどう見ているのかを判断する程度には役立つでしょう。株価に関しては、日米ともにやや上値の余地を残しているようですが、それ以外については現状水準から大きくかけ離れた予測値ではなく、当面は方向感を探る展開が続くというのが、市場関係者のひとつの見方のようです。