20年で資産が10倍に!? DCは資産をどこに置くかがポイント

DC制度の導入から20年でそれなりの資産額になるわけですが、20年前に遡り、どこに資産を置いていたら今どうなっていたか、ということについて考えてみたいと思います。

例えば、今から20年前、DCが誕生した2001年10月1日の日経平均株価は9,766円でした。それが2021年10月には27,000円前後となっており、約2.7倍の水準になっています。つまり、もしDCの資金を20年間日経平均で運用していたら、その部分は2.7倍になっていたかもしれないということになります。

では、アメリカの代表的な上場企業で構成されているダウ工業平均株価ではどうでしょうか? 同じ日にちで比較してみましょう。2001年10月1日に8,836ドルだった株価は、20年後の10月には約34,000~35,000ドルとなっており、約3.8倍に成長しています。20年前にダウ工業平均株価に投資する投資信託を組み入れていたら、その部分は3.8倍になっていたかもしれない、ということになります。

さらにもう一つナスダック総合指数も紹介したいと思います。ナスダックはアメリカにある世界最大のベンチャー企業向け株式市場で、GAFAもここから誕生しています。そのナスダックの全上場銘柄から算出される指標がナスダック総合指数と呼ばれていますが、2001年10月1日には1,480ポイントだったナスダック総合指数は、20年後にはなんと14,494ポイントと、約10倍に成長しています。

同じ金額でも、どこの成長分野に投資するか、どの投資信託に資金を託していくかによって2.7倍になることもあれば、10倍になることもあるのです。逆に、預金などは金利がほとんどつかないので、“ほぼ1倍”のままということになります。投資の基本は分散ですので、1つの分野にすべての資金を投資することは避けるべきですが、成長性がありそうな分野に分けて投資をし、時間をかけて運用していくことが、老後の資産形成にあたって重要だといえるのではないでしょうか。