2021年12月の米国株マーケットを振り返ると、上旬は主にオミクロン株への警戒感により株価が下落し、中旬は14、15日の2日間にわたって米国の金融政策を決めるFOMC(連邦公開市場委員会)が開催された影響で揉み合いの展開となりました。なぜならFOMCの結果は米国だけでなく世界中の中央銀行や投資家が注目しており、市場予想と異なる場合に株価が下落しやすくなるためです。今回のFOMCは無事に終えたことで市場には安心感が生まれました。またFOMC後の17日は「クアドルプル・ウィッチング・デー」と呼ばれる日で、米国株式の先物やオプションの期限を迎えることから、マーケットが乱高下しやすくなりました。

それでは米国主要株価指数であるダウ平均株価、S&P500、ナスダックの12月の動きを振り返ります。

12月のダウ平均株価

ダウは米国を代表する株30種で構成されています。

組み入れ銘柄の中では主にアップル(APPL)とマクドナルド(MCD)が新高値を更新し、ダウを牽引する形となりました。アップルは2022年にAR(拡張現実)ヘッドセット販売の可能性が伝えられたことが要因となり新高値を更新しました。マクドナルドは代替肉を提供するビヨンドミート(BYND)と提携した代替肉バーガー「マックプラント」の販売の拡大が期待されたことで新高値を更新しました。

・ダウ平均株価:36398.67ドル(2021年12月28日時点)

12月のS&P500

S&P500とは上場している企業の中で代表的な500社を組み入れて構成された株価指数です。米国経済の現在地を知るには最も適した数字といえるでしょう。

オミクロン株への警戒感により売りが先行し、12月1日には4510ポイント近くまで大きく下落しました。その後WHO(世界保健機関)がファイザーのワクチンが有効との見解を示し先行きの不透明さが払拭されたことで、マーケットに資金が再び集まり、12月27日には取引時間中の史上最高値も更新しました。

・S&P500株価指数:4786.36ポイント(2021年12月28日時点)

12月のナスダック

ナスダックは米国にある新興企業向けの株式市場として世界最大の規模を誇ります。

GAFAMやテスラ、エヌビディアなどの米国経済を代表するハイテク企業が集まっていることも特徴です。今月はオミクロン株への警戒感が薄れたことに加えて、米国株には季節のアノマリーと呼ばれる相場の流れがあり、例年クリスマス時期〜1月は他の指数よりもナスダックのパフォーマンスが高いことから指数も上昇。1月のナスダックは引き続き強い展開になると考えられます。

・ナスダック総合指数:15781.7ポイント (2021年12月28日時点)

1月の米国株マーケットの見通しとポイント

1月の米国株は昨年11月からの強気相場が続くパフォーマンスの高い時期です。またS&P500のターゲットとしては4800ポイントを目指す展開になると予想されます。

そして米国経済の現在地ですが「景気が強く、金利が高い」状態にあるため、セクターに注目するならば、消費循環株、工業株、素材株がポイントになるでしょう。またオミクロン株の影響で急落した原油価格も回復しつつあり、今後はエネルギー株からも目が離せません。