税制上の“お得さ”だけでは決められない! この先のライフプランで選択は変わる

川田さんは定年を迎えらえたら、単身赴任を終えられ、ご家族と暮らすのではないでしょうか。まず、一度、ご自宅の改修や、車両費。介護が必要な場合はどうするか等々、これからの生活をどうするのか・どうしたいのかを考え、必要なお金を書き出してみましょう。税制上のお得さだけでなく、現実に必要なお金を手元に用意する受け取り方も重要です。

そして、受け取れる予定のお金を把握しておきましょう。そのためにも「企業型DC口座のパスワードを忘れて放置」はいただけません。パスワードの請求を運営管理機関に申し出て、一刻も早くログインしましょう。

そして、それぞれの受け取り方のメリット・デメリットを踏まえて、受け取り方を決めましょう。

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最後に、企業型DCの加入と運用の可能期間について、来年の制度改正が決まっている点もお伝えしておきます。

企業型DCの加入可能年齢は令和4年5月より厚生年金被保険者(70歳まで)、かつ、規約で定められた年齢となります。さらに、同じ企業での継続雇用でなくても、企業型DCのある会社に転職する場合でも加入できるようになります。ここで一点ご注意いただきたいのは、加入要件を満たせても、企業型DCを一度受け取ってしまったら企業型DCに再加入できない、という点です。それを避けるためには、60歳以降に退職した際にDC運用指図者になるのがおすすめです。運用が継続でき、令和4年4月以降はルール改正により75歳まで非課税で運用できます。

こうした制度改正も、川田さんの“退職金出口戦略”を考える中で大きく関係してくることを念頭に置いていただけると幸いです。