一時金？年金？ 企業年金の受け取りで“損しない”ためのポイントは「控除」

川田 健さん（仮名）プロフィール

・年齢：59歳
・都道府県：愛知県
・家族構成：相談者、妻（55歳）子（22歳・大学生）の3人で暮らす
・職業：会社員（単身赴任中）

【寄せられたお悩み】
「会社で13年前に、企業型確定拠出年金（以下、企業型DC）に加入しました。7年ほど前に割と利益が出て、怖くなって売ってしまい、定期預金を半分に入れ替えました。
しかしその後、さらに株価は上昇……にもかかわらず、ログインのパスワードが分からなくなり、そのまま放置。その後の株価上昇に乗れなかった…なんてこともありました。
さて、私はあと1年で退職しますが、企業型DCの他に確定給付企業年金（以下、DB）※もあり、会社からその受け取り方について聞かれています。受け取りはどうしたら良いのでしょうか。企業型DCは、60歳に受け取るのが良いのでしょうか？
なお退職後は継続雇用を希望しています。自宅は親から譲り受けたため、修繕の必要はありますが、ローンはありません」

※相談者の勤める企業はDBDC併用
 

【お悩みの論点】
あと1年で退職。DB、企業型DCどう受け取るのが良い？

金融資産額（運用中の投資額と預貯金を合わせた金額）：1112万円

内訳
預金：800万円
投資信託：312万円

＜収入＞
・世帯の毎月の手取り収入：38万円
・手取りの年収：700万円

DB
・定年（60歳）時に受け取れる
・相談者の勤め先のDBは「一時金」「終身年金」「一時金と終身年金」という3パターンから受け取り方が選べるうえ、65歳まで据え置きができる
・65歳まで据え置くと2.5％の利率で運用され、一定期間年金が増額される
・「一時金」で受け取る場合は、退職一時金として2500万円受け取れる見込み
・「終身年金」で受け取る場合は、一生涯、約13万円／月の支給がある見込み

企業型DC
・会社の規定により加入は定年（60歳）まで
・相談者の運用残高は、定年までのあと1年で500万円ほどになる見込み