日米とも来夏以降、経済が正常化。日経平均3万3000円台回復へ

財政出動が大きかったことで、われわれの2020 年5月ごろの株価予想は随分と保守的だったことになってしまった。当時、ニューヨーク・ダウ工業株30 種平均指数は、2021 年3月ごろに2万5500 ドル、日経平均も2万500 円と2万円を回復するとしていた。実際には二番底をつけるのかという市場の心配をものともせず、2021 年3月末のダウ指数は3万2981 ドル、日経平均は2万9178 円まで上昇した。

これは市場心理の熱狂ではなく、企業の売上高と利益の増加に支えられた。米国の輸入はトランプ政権期の最高水準をすぐに抜き去り、日本の実質輸出はコロナショック直前のみならず、リーマンショック後の最高水準となった。企業の収益はインターネット関連の他、消費財の好調にも支えられ、上場企業に関しては空運や飲食などの落ち込みをおおむねカバーすることになった。これまでの財政政策の効果は一時的とはいえ、その規模の大きさから出動後2年以上におよぶ需要の押し上げ要因になりそうだ。
われわれは、2022 年6月のニューヨーク・ダウを3万7000 ドル、日経平均を3万3000 円と予想している。コロナショックで1万6552 円まで低下した日経平均は、すぐにショック前の2万4000 円程度に回復したが、その後の米国財政拡大と日本の輸出企業中心の利益拡大を受けて2万8000 円を超える水準になった。さらにワクチン接種の進展とサービス業を含む経済全体の再開期待から3万円台をうかがう水準となっている。実際に経済が正常化すると思われる来年夏以降に3万3000 円程度を回復するだろう。ニューヨーク・ダウも類似の展開となると予想する。