顧客志向に基づく、細やかな募集人支援が差別化のポイント
一般的に保険代理店は、提携する保険会社の数と募集人に対する手数料還元率の高さ、すなわち報酬還元率の高さを武器に、所属の募集人を増やして規模を拡大してきた歴史がある。しかし、この風潮に対し、エフピーサポートは譲れないポリシーを持っていた。
「募集人を増やして規模を拡大することがお客さまのためになるのだろうか? サービスの向上につながるのだろうか? 会社の利益を増大させるためだけではないのか? それよりも会社がインフラを整え、募集人の仕事をしっかりサポートし、お客さまに最高のサービスをお届けすることが重要ではないのだろうか?」と富永氏は考えを巡らせていたそうだ。
これらの問題意識から、複数の保険会社の商品を取り扱う乗合代理店として、「募集人に対する支援体制がどれだけ完備されているか」「顧客に対する保全サービスなどは会社がバックアップする」ことなど事業に必要な環境を整えることを企業コンセプトとし、募集人の採用をしてきた。結果、「志を同じくするメンバーが集まり、現在の規模にまで成長してきました」という。
この思想を具現化するために、エフピーサポートでは「PAS」という独自の代理店支援システムをシステム会社と共同で開発。顧客情報から意向把握、契約情報、保全情報、さらには手数料計算処理まで、営業のすべてが「見える化」できるこのシステムをベースに、組織的に営業活動を行っている。
昨今、当局からガバナンスという言葉がよく聞こえてくるが、「そもそも会社として、こんな言葉を投げかけられるほうがおかしい」と富永氏は指摘する。もともと募集人が属人的にセールスを行なっているだけの会社では、顧客第一のサービスは不可能だ。代理店という組織が募集人をしっかりサポートし、一体化してサービスを行うからこそ、顧客満足が生まれてくる。
「例えば、お客さまからある保険会社経由で住所変更の連絡が入ったとします。一般的には募集人任せでその他の保有契約の変更は必要ないかを管理させているだけの会社が多い中、当社ではそのお客さまご自身はもちろん、世帯すべての契約が住所変更手続きできているか? 他社で加入しているご契約は大丈夫なのか? こういう細かいところまで会社の体制として、フローチャート、チェックシートをもとに1つ1つ確認しながら募集人と連携して情報を保全しています」(富永氏)。
いわば営業すべてに関し、「本社と募集人が一体化したプラットフォームで動いている代理店」というイメージだ。