保険の販売インフラを生かし、顧客重視のIFA事業を展開

保険代理店としては、創業から一貫して成長を遂げてきたものの、顧客の老後資産形成をどうするかが、常にエフピーサポートの課題の1つであった。会社の将来像に関して、いろいろと検討を重ねている際、ソニー生命の「VPC」という地域密着型代理店の会合に出席。この会でIFA法人のGAIAの中桐啓貴社長から、「GMA」という同社独自のファンドラップの話を聞き、衝撃を受けたという。その思想にも共感し、IFA事業に取り組もうと改めて決意。2019年に金融商品仲介業をスタートさせたのは前述の通りだ。

「今のIFA業界は、日本の生命保険会社が定期付終身保険を中心に販売していた中、コンサルティングに基づき顧客一人ひとりに合わせてプランを設計提案するという手法を導入したソニー生命が登場したころに似ているのかもしれません。つまり、商品から訴求するのではなく、ゴールに向けた資産形成というセールススタイルに変わりつつあるわけですが、当社のスタイルもそれであり、お客さまからも新鮮な印象で受け止められています」(富永氏)。

それは何も特別なことではなく、約1万5000世帯に保険契約のフォローを行いながら、保険だけでは解決できなかった老後の資産形成へのアプローチを行うことが基本になっている。また、新規の顧客に対しても、ライフプランニングに基づいた提案がベースであり、その結果従来のように生命保険になるのか、あるいはファンドラップや投信になるのかは、問題解決の手段の違いに過ぎない。ソリューションの幅が増えたことは、募集人からも顧客からも評判が良いという。

IFA事業をスタートさせて2年が経過し、ようやく口座数は1200を超え、残高も40億円ほどにまで積み上がってきたが、「今後の成功は、顧客に寄り添う地道なビジネスモデルをやり切れるかどうかにかかっています」と富永氏。「いま保険代理店の経営は、曲がり角に来ていると感じています。保険だけでは顧客の人生をリスクヘッジできない。IFA事業も併せて行い、資産形成を勧めるというスタイルは、今後の王道だと思います」。